■2014年1月18日(木)

 
2014年1月16日(土)13:30〜16:30
緑と水の市民カレッジ(日比谷公園) 研修・交流室
参加者9名
担当:読書会委員(小川、井上、岩渕)

映画鑑賞『世界が食べられなくなる日』

 レイチェル・カーソン遺稿集『失われた森』を一休み、昨年10月の『未来の食卓』に続き、ジャン=ポール・ジョー監督(兼プロデュース)の力作『世界が食べられなくなる日』(2012フランス)を鑑賞した。
 この作品は遺伝子組み換え作物(農薬、種子等も)と核エネルギーを対象にして、食の重要性と生命の危機を扱う。
 この二つのテクノロジーは、人間にとって制御不可能な怪物であり、人体はも勿論、命あるものに蓄積、拡散し末永く存在し続けるという共通点を持つ。命の根幹が脅かされていることを周知せず、巨大資本などの利益と強欲の支配を許し、既に取り返しがつかない状態だ。
 大切な食生活、食文化を守るためのしっかり行動しよう。地球のエコシステム(生態系)に尊敬の念をもって農畜産にいそしむ人々から食品を購入し、有名食品企業の食品だからといって安易に信用しないほうがよい。
 この映画は福島原発事故や祝島の反原発運動のシーンもあり身につまされる。
 そして最も説得力があるのは遺伝子組み換えトウモロコシや加えてラウンドアップ農薬に汚染されたトウモロコシを食べ続けたラットたち、グループ分けされた多数のラットの生涯にわたる長期かつ組織的な実験であった。巨大な発癌の因果関係がはっきり証明された。既に日本は飼料として遺伝子組み換えトウモロコシ輸入が世界最大であり、食用油に加工される遺伝組み換え作物は(大豆、綿実、菜種)当然のようである。
 このラットによる遺伝子組み換えトウモロコシ給餌実験は大西洋に近いフランスノルマンディー地方にあるカーン大学の分子生物学者セラリーン教授が、業界よりの圧力に屈せず行ったもの。レイチェル・カーソンが農薬会社と闘ったことが偲ばれる。    (岩渕記)