■2015年5月23日(土)
センス・オブ・ワンダー自然観察会
2015年5月23日(土)10:30〜12:15(於:新宿御苑)
参加者 34名(内子ども9名)
晴天に恵まれた5月23日、新宿御苑でセンス・オブ・ワンダー親子観察会が行われました。
まず上遠さんから「センス・オブ・ワンダーは知識ではなく、不思議だな、面白いな、という気持ちを大切にします、子どもだけでなく年をとってからもとても大切です」と、本の一節を紹介しながらのお話がありました。ついで、子ども組とおとな組にわかれて観察会(探検)に入りました。
子ども組はクッシー隊長の周りに集まりました。アンパンマンなどのシールを張った名札を胸につけて、まずは準備体操。といっても、センス・オブ・ワンダー準備ですから普通の体操ではありません。“風を感じてみよう”体操は目をつぶって自分の周りをぐるりと回り、風が吹いて来ていると思うところで止まります。風はなさそうに思えましたが、目をつぶると風を感じました。次は“音を感じてみよう”。目をつぶって、自然の音を何種類聞いたか、人工の音を何種類感じたか、数えます。鳥の声はすぐにわかりましたが、風の音、葉のそよぐ音を感じた子もいて、子どもの感性の鋭さを知りました。
いよいよ探検です。クッシー隊長から指令が出ます。「ドクダミの花はどこかな?匂いも嗅いでみよう」みんなドクダミの臭いにおいにゲェーでしたが、中には「私この匂い好き」という子どももいました。 「こんな目を探してみよう」、目なんてどこにもありません。でも、振り返ったら木の幹に大きな目の模様が・・・ギョッ!です。これは桐の木でした、枝が落ちた痕なのでしょうか。目的が達成するとシールを一つずつもらって名札にはります。動物シール、魚シール、黄色い色が好きな子と思い思いのシールをもらってはりました。
最後は宝物さがしのお楽しみがあります。落ち葉の中に隠された瓶に宝物の地図が入っています。でもそのあたりはクマの出没地帯。クマが出たらカメハメ波で撃退する約束です。クマにふんしたスタッフが現れると、さっそく皆で練習したカメハメ波でクマは逃げ出しました、大成功! さて、瓶の中の地図で無事宝物のありかがわかるはずだったのですが…… 宝物が入っていた缶を子どもが走り回って蹴り飛ばし、ふたがあいて中身が飛び出してしまっていたのです。それで皆必死に落ち葉の下を探しまわりました、あった、あった、どの子も無事一つずつ白い宝石を見つけ、大ニコニコでした。これこそ本当の宝物さがしですね。落ち葉は、表面は大きな葉っぱの形を保っていますが、下の方はだんだん小さくなっていてその下は土になっています。ミミズや土壌生物が落ち葉を土にしてくれているのですが、そんなことも子どもたちは感じてくれたでしょうか。
楽しみながら無事任務を全うしたクッシー隊、お疲れ様でした。
(報告:小川)
以下は大人組の報告です。
自然観察会というと、以前には、やたらに木の名前、鳥の名前などを羅列して参加者に伝えること、がよくありました。「名前当て観察会」と言われる方法です。今回の観察会講師米澤邦昌氏(森林インストラクター)は、そのような”名前当て“はまったく使っていません。太陽光を求める樹の枝や葉の動き、樹と昆虫、鳥との関係、林の4階構造、林の成立など自然の生態系の不思議さを余すところなく、また適当にユーモアを交えて伝えてくれました。参加者は説明をよく理解し、満足されたものと思われます。そしてそれぞれの“センス・オブ・ワンダー”を高めることができたのではないでしょうか。終った時には大きな拍手が起こりました。
“センス・オブ・ワンダー”を体験し、これを高めるには自然に直接触れること、これを強く感じた観察会でした。
(報告:田和)