■2015年10月17日(土)

    


自然を語る会
2015年10月17日(土) 10:30〜12:30
於:日比谷公園 緑と水の市民カレッジ
参加者 13名
担当 神保しのぶさん

            『レイチェル・カーソン』
           ポール・ブルックス 上遠恵子訳


第3章 「海のなか」 - [アトランティック・マンスリー]1937年9月号より -

「海のなか」は、もともと「水の世界」と題して1935年に米国漁業局の小冊子の序文として書かれたものであったが、
カーソンの才能を見抜いていた上司は、政府広報の域を超える、遥かに価値のある作品と感じ、その上司の勧めに
よって1937年にアトランティック・マンスリー誌に掲載された作品である。カーソンはこれを発展させて処女作
「潮風の下で」(1941年)を完成させた。太古の昔から永遠に続く海の生物たちの生態学と、小さな微生物さえも
包みこんで永遠にくりかえす生命の営みという、いかにもカーソンらしい重要なテーマを紹介しており、この数
ページのこの原稿こそ「すべてのはじまりだった」と、後にカーソンは回想した。
担当者の神保さんは多くの関連資料を用いて、要点をわかり易く丁寧に解説して下さり、参加者の皆様を詩情豊かな
カーソンの海の世界に誘っていただいた。そして最後は参加者全員で「海のなか」を輪読した。参加者の皆様が実際に
海辺や潮だまりで海の生き物と出会った時(出会おうとした時)の体験談、「海のなか」に登場する多くの生き物に
関する専門家の皆様の解説、カーソンの卓越した想像力の魅力などについて大いに語り合うことができた。

(文責:柳澤)