■2015年11月21日(土)
自然を語る会
2015年11月21日(土) 10:30〜12:30
於:日比谷公園 緑と水の市民カレッジ
参加者 14名
担当 岩渕徹郎さん
「里海」について語ろう
今回は、「『里海』について語ろう」というテーマで、岩渕さんから、井上恭介著『里海資本論
〜日本社会は「共生の原理」で動く』(角川新書)に書かれた瀬戸内海の再生の実例について
報告があり、これをもとに皆で話し合った。
かつて高度経済成長の時代、瀬戸内海沿岸の工業化と都市化により工場排水や生活排水が海に
流れ込み、赤潮の頻発など海の汚染を招いた。この結果、生態系も大きく損なわれ、生物多様性は
失われ、漁獲量も激減した。
その中で、備前市日生(ひなせ)では地元の人々が30年がかりでアマモの森の再生に努め、多様な
魚介類を呼びもどした。また、広島湾では、カキ筏によるカキ養殖を発展させることにより、
カキの浄水能力を活かし40年をかけて綺麗で豊かな海を蘇らせた。いずれも、人間が工夫し、
もともとの自然の営みに上手に手を貸すことにより、年月をかけて生物多様性を回復し、人間も
その恵みを享受するという好循環を回復した成功例といえよう。
岩渕さんはレジュメと地図で分かりやすく説明して下り、アマモとカキ、両者の持ちつ持たれつ
の関係など理解が深まった。
参加者からは、これに関連して、太陽光発電や屋久島やバイオマスなどについていろいろな意見が出た。
海の再生の他の事例として、気仙沼湾での森、川、海の繋がりを重視するNPO法人「森は海の恋人」の
活動の紹介もあった。
皆で瀬戸内海産のレモンピールを賞味し、太陽の香りを楽しんだ。
(文責:井上)