■2015年12月19日(土)

    


自然を語る会
2015年12月19日(土)10:30〜12:30
於:日比谷公園 緑と水の市民カレッジ
参加者 16名
担当:鈴木善次さん(関東フォーラム顧問)


         ポール・ブルックス著 上遠恵子訳 『レイチェル・カーソン』
                第4章「はじめての著書」
                第5章「潮風の下で」

二十世紀ベストの自然文学作品の一つ、カーソンの「潮風の下で」の誕生のいきさつを語った第4章。
カーソンの才能と魅力を見出した強力なサポーター(功労者)であったクインシー・ハウ氏とヘンドリック・
ウィレム・ヴァン・ルーン氏。前者は「潮風の下で」の出版社の編集者、後者はベストセラー作家であった。

続く第5章は、著者ブルックスが原書全15章のうち6章から(5個のサブタイトルで)抜粋し、ノース
カロライナ、バージニア沖からニューイングランドさらに北極圏等を舞台に、海辺、外洋、深海にわたる
海の生きもの(魚やプランクトン、鳥や哺乳類など)の生活を、彼らの視点と立場で描き、読者を永遠に
魅了する原書「潮風の下で」を、約20%の分量に圧縮し紹介したものである。

今回ご担当の鈴木さんは原書(上遠恵子訳、岩波現代文庫版)の解説(巻末)をされていて、われわれに
対して、わかりやすく丁寧なご講話の後、皆で生態系/食物連鎖に関するミニワークショップを試みるなど
いろいろ濃い勉強と楽しみを与えてくれました。長年のお仲間も大勢参加され、とても和やかな雰囲気でした。

動物行動学の草分けコンラート・ローレンツ(1903~1989)もご紹介いただきました。『ソロモンの指輪』〜
動物行動学入門(ハヤカワ文庫NF)は私の必読図書になります。鳥類や哺乳類などの動物的遺産が人間にある
のであって、動物に人間の要素があるのではない。動物に対する興味・愛情・尊敬の念は互いに理解しあえる
もととなるのだろう。人間だって他の生きものから学ぶ謙虚さを持ちたいですね。カーソンもそうですね。
相手の個性を認めず、優位に立つことを図るばかりじゃ無意味な戦争ですもん。

(文責:岩渕)