■2017年3月18日(土)
自然を語る会
2017年3月18日(土)10:30〜12:30
於:日比谷公園 緑と水の市民カレッジ
参加者:13名
担当:柳澤征克さん
ポール・ブルックス著「レイチェル・カーソン」13章『海辺』から を読む
「レイチェル・カーソン」の13章は今日で3回目です。今日も一言ずつ味わいながら
読み進めていきました。
海辺には1日2回の周期で、潮の干満が起こり、潮間帯に棲む生き物たちはそのリズム
に合わせて生きているとのこと。またその潮の干満の差は満月や新月の時は大きく
(大潮)、上弦や下弦の時は小さいのですが(小潮)、その差も土地によって大きく
違います。北のほうのメイン州カレスでは7mもあるのに対してフロリダ州キーズでは
最大50〜60?程度だそうです。高低差の大きな潮流の流れるところにはたくさんの
多様な生物が生息するようです。
それだけでなく、生物たちは満潮や干潮、潮の流れを利用しています。潮の流れを
利用して固着するのに都合のよい場所に移動するカキの幼生、大潮の前後にだけ産卵
する日本のゴカイの一種や、逆に小潮を狙って産卵するゴカイもいます。
まず、1日2回の潮の干満、それも満月と新月の時には大潮になるというのも考えると
不思議です。満月、新月の時には地球と月、太陽が並ぶのからだそうなのですが、
それだけではないようです。柳澤さんは2月5日付け朝日新聞の科学の扉に説明が出て
いました、と、持ってきてくださいました。うーん、わかったような、キツネにつまま
れたような・・・。
また話題は生物だけでなく、人間にも満潮や干潮が作用しているのではないか、という
話にも。よく、満潮とともに出産するとか言われますが、どうでしょう。上遠さんは
メイン州で潮が満ちてくる時間、引いていく時間を海辺で過ごされたそうです。満潮
の時は潮の音が「こんにちは!」と言っているように感じ、心も浮き立つようだった
けれど、引き潮の時はそんな音ではなく、とても寂しい感じに引いていった、と話して
くださいました。今度私も海辺で潮の音を聞いてみたくなりました。
「海の中では、すべてのものが単独では生きていけない。現在は過去と未来につながり、
各々の生物はそれを取り巻くすべてのものとかかわりをもっているのである。」
最後に書かれているこの言葉は、カーソンのもっとも言いたかったことでもあり、
本当にその通りだな、と納得できました。
文責:小川真理子