■レイチェル・カーソンのプロフィール
環境問題の古典「沈黙の春」の著者として知られるレイチェル・カーソンは、1907年5月27日、ペンシルヴァニア州のスプリングデールで生まれました。
彼女は、幼いときから将来は作家になることを夢見ていましたが、大学時代に生物学などにふれるなかで進路をかえることになりました。
そして、大学院の夏期研修でウッズホール海洋生物研究所での、海に生きる生物たちとの出会いによって、海洋生物学者としての研究生活をはじめたのです。
やがて、父親の死という事態のなかで、彼女は連邦漁業局の公務員に就職することになります。彼女は、海を題材にした放送番組の台本を書いたり、政府広報物に自然保護地域のレポートを書いたりするなかで書いた「われらをめぐる海」という作品がベストセラーになり、海の作家としての才能がみとめられ、ベストセラー作家として文筆業に専念するにいたります。
彼女は生涯のうちに、「潮風の下で」(1941)、「われらをめぐる海」(1951)、「海辺」(1955)、「沈黙の春」(1962)、「センス・オブ・ワンダー」(1965)という作品をのこしました。これらの作品はいずれも、彼女の、科学者としての目と作家としての豊かな感性をいかしたものでした。
中でも、DDTなどの化学物質の危険性を告発した「沈黙の春」は、1962年に出版されるやただちにアメリカ社会をゆりうごかすことになりました。そして、危険な殺虫剤等の化学物質の使用に歯止めをかけることになるのです。
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▲沈黙の春 | ▲「沈黙の春」を執筆したワシントン郊外のシルバースプリングの家
ここで56歳の生涯を終えた。 |
また、彼女の遺作であり、言わば最後のメッセージというべき著書として、1965年に出版されたのが、「センス・オブ・ワンダー」です。
この作品で語られる「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性」は、自然教育や環境教育にとどまらず、幼児教育をはじめさまざまな分野で注目され、時にふれ強調されるものとなっています。
彼女は、1964年4月14日、ワシントンの郊外シルヴァースプリングで56歳の生涯を閉じました。